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2010年01月10日

●ギリシア●ギリシアの薬局事情(吉岡ゆうこ)

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*アテネのアクロポリスのふもとにある薬局

現在「大塚薬報」という大塚製薬の雑誌にて、「人と薬の羅針盤」という連載をやっています。2007年にエジプトに行き、紀元前3000年から始まる医療や薬のことを取材し、2008年は紀元前700年から紀元後300年くらいの間のギリシアにおける医療や薬のことを垣間見てきました。2009年はイタリアのシチリア、ナポリなど、ギリシア植民市を取材してきましたが、ブログでの報告が滞っていましてすみません。ギリシアから少しずつ報告したいと思います。
ギリシアでは、ヒポクラテスの生誕の地であるコス島や医神と言われたアスクレピオス(ヘビの巻き付いたカドケウスの杖を持つ姿が有名)が実際に保養所(今で言う病院)を開いたというアスクレピオス神殿跡のあるエピダヴロスなどをまわってきました。

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*アクロポリスのパルテノン神殿

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*EUの星が取り囲む薬局の看板

ギリシアの薬局はエジプトの薬局と同じように、薬局の薬の棚(日本でいうOTC医薬品の棚)に医療用の医薬品が並んでいます。医療用医薬品を薬局で売ることができ、また生活者は処方せんがなくても買うことができます。エジプトと同様、ノルバスクを買ってきました。14カプセルの小包装です。カプセルというところにびっくりしました。ところかわればです。「ギリシアでは医師が少ないから薬局が医療を担っている」と、コリントスの薬局の薬剤師さんは言っていました。インスリンの注射も処方せんなしで買えるそうです。その分、薬剤師は医師と同じような教育を受けます。薬学部は5年生、卒後政府系の病院で1年間、臨床研修を受け、地域医療を実践出来るように実践を重ねるそうです。ギリシアの薬局のマークはヒギエイアの杯とアスクレピオス蛇です。まわりをEUの星が取り囲んでいる看板もありました。

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*ギリシアで買ったアスピリン

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*ギリシアで買ったノルバスク