« ドイツ●ハイデルベルクのドイツ薬事博物館にて(城戸まゆみ) | メイン | ドイツ●アウクスブルクの薬草園(城戸まゆみ) »

2007年03月22日

●ドイツ●薬草魔女ビッケルさんを訪ねて(城戸まゆみ)

ger3_00.jpg
*ビッケルさんのポストカード

「ああ、気持ちがすうっとする!」 ドイツ薬事博物館に来ると全身に清々しい空気が流れ込んだような何とも不思議な感覚になります。例えると新年を迎え、神社に初詣でするときの気分に似た感じでしょうか。薬事の神様の下で、雑念が払われ、気持ち新たに薬学人としての道を歩む決意や喜びが湧いてきます。欧州視察の最初の儀式として、ハイデルベルグ城の芳香なアイスワインをお神酒の代わりにして身を清め、薬事博物館前の噴水にコインを投げ入れてお参り。今回もすばらしい出会いがありますように・・・。

ger3_01.jpg
*マウルブロン修道院

視察3日目、世界遺産“マウルブロン修道院群(1147年建立)”。高い石の塀に沿って歩き、アーチ型の門をくぐると、そこには中世の街並が広がっていました。ヘルマンヘッセの小説に描かれているマロニエの木、噴水、美しい修道院。ゆっくり見て回りたいけれど、限られた時間。小走りで向かった先は、門のすぐそばに立つハーブのお店、現在の薬草魔女としてTVやマスコミでもその名を知られるビッケルさんのお店です。薬局でPTA(薬学技術アシスタント)として働くうちに芽生えたハーブへの興味、そしてとうとう自分でハーブ園を作り、研究に打ち込んだというビッケルさん。著書“薬草魔女のナチュラルライフ”は邦訳され、日本でも愛読されています。ビッケルさんに会えますように・・・。入り口で魔女人形の出迎えを受け、お店のスタッフさんにビッケルさんに会いに日本から来ましたと告げると、「彼女は今山にハーブを摘みに行っている」との答えです。山にハーブ摘みですって、素敵!この時何故か、私はがっかりはしませんでした。ハーブティ、ハーブの種、精油、明るい図柄のレシピ本・・・所狭しと並べられた薬草グッズにすっかり満足していたからでしょうか。ラベンダー、マリーゴールドなど、ハーブたちの色が生き生きとしているのです。野生の草の生命力と癒し。あれもこれもたくさん買い込んで、さあ集合時間、とその時、ラベンダーの花を両手いっぱいに抱え込んだビッケルさんがお店に入ってきたのです。劇的な瞬間、なんという幸運、薬事の神様に心から感謝!
(2005年2月取材)

ger3_02.jpg
*薬草魔女ビッケルさんのお店

ger3_03.jpg
*憧れのビッケルさんと出会えました

ger3_04.jpg
*お店のハーブティ2種/左がHexenzauber Tee(魔女の魔法)右がWohlfuehl Tee(快適ブレンド)