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2011年08月06日

●ドイツのメイルオーダー(吉岡ゆうこ)

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*europa apotheekの割引チラシ

ドイツ薬学視察旅行2011ではドイツで行われているドラッグストアによる処方箋のメイルオーダーも見てきました。
2000年頃から、欧州ではオランダやスイスがオンライン薬局を合法化し、国境を越えた郵便・配送サービスによる医薬品の販売を始めました。ドイツでもドラッグストアチェーンであるdm(dm-drogerie marrkt)がその窓口となり、処方箋の受付を行っています。ドイツのドラッグストアは、日本のドラッグストアと違って、薬局以外で販売してよいその他のカテゴリーに属する医薬品やハーブ類、化粧品やヘルスケア商材は取り扱えますが、ドイツで言うところの要処方薬や薬局指示薬(OTC医薬品)は取り扱うことができません。そのdmが、処方箋薬やOTC医薬品のメールオーダーを始めました。dmの店内には、薬の申込み封筒を備えたPharm Punktという薬の注文ステーションが設置されています。申込者は封筒に必要事項を記入し、処方箋を同封します。その封筒はdmの提携先のeuropa apotheekに行き、調剤された薬はおよそ3日後(72時間以内)にdmに届きます。あるいは自宅に郵送されます。健康保険による薬の一部負担金(薬代の1割、最低5ユーロ最高10ユーロ)は変わりませんが、生活者にとってお得なのは、薬代のキックバックがあったり、薬局でしか買えないOTC医薬品を割引価格で買えたりすることです。ドイツのOTC医薬品は自由価格ですが、薬局間による値引き競争はほとんど行われていません。
その様な中、ドイツでは2004年に医薬品の郵送・通信販売を認める法改正が行われ、一定の条件を満たした薬局はオンライン薬局を開設できるようになりました。日本でも第3類医薬品以外の医薬品のネット販売が取りざたされていますが、ドイツではいち早く法整備が進められ、薬局でも処方箋薬、OTC医薬品ともにメイルオーダー可能です。
今回はdmのPharm Punktに行って実際に見てきました。写真のDPEカウンターのようなものでした。

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*dmのPharm Punkt